アンダルシアのひまわり畑に出逢った日 2017.6.1
まだカメラを始めるずっと前
とある本で、アンダルシアのひまわり畑に出会った
あまりに広大なひまわりたちの写真
その広がりに胸を射抜かれて、しばらくぼーっとそのページを見つめてた
「ヨーロッパにはこんな素敵な景色が広がっているんだなぁ
わたしの長いか短いかわからない人生の中で、いつか見れるといいなぁ 」
漠然とそう思っていた
日本でひまわりを見るたびに、こっそりとアンダルシアのひまわり畑を思い出した
無限に思えるほど、どこまでも広がるスペインのひまわりたち
どんなところにあるんだろう
今回CHAPA WON THE PLANET3が決まった時
もともとは北欧に行こう、と言っていたんだけど
ちょうどひまわりのシーズンだということに気づいて
急遽行き先をスペイン・モロッコに変更した
ついに、あの景色に会いに行けるんだ・・・!
予想もしていなかった急展開に、なんともいえない不思議な気持ちになる
有限な紙の中、四角い枠に写真としておさまっていたひまわり畑
目の前にぱぁっとひらけて現れた時、いったいどんなことを感じるんだろう?
********
イビザ島から飛行機でセビージャという街についた
スペイン南部にある4番目に大きな都市だ
そこからバスで約一時間
カルモナという田舎町に着く
カルモナはどこもかしこも、何故かおじさんだらけ!
ベンチに座ってひたすらしゃべり続けているおじさんたち
とても余裕があってゆっくりしていて、それを見た私たちの心にもスペースがうまれる感覚
日本のおじさんたちは、ちょっと忙しすぎるんだなぁ
おじさんたちがこんなにゆっくりリラックスして楽しそうだったら
周りの人も、奥さんも、きっとすごい心にゆとりができていい感じの雰囲気になるだろうなぁ
そんなことを思う
******
ひまわり畑までは歩いていけるらしいのだが
その時期にぴったりいい感じに咲いているところを見つけるのがとても難しい
町の丘の上から地平線を見渡してひまわり畑を見つけるのはとても容易いんだけれど
近くまで行けてもうまく中には入れなかったりするみたい
私たちはタクシーで向かうことにした
ひまわりは、油を精製ために栽培されているものらしい
その光景はスペインの人にとっては特別なものではなく「え?なんでひまわり畑なんて見に行くの?」という感覚みたい
日本でいうと、稲穂が実る黄金の秋に、平野に広がる新潟の田んぼを見にいくようなものなんだろうなぁ
ちょっと不思議な気持ちになる
馬がいる
畑が広がる
牧歌的な風景
こんなにもあっさり、あの夢の土地にたどり着いていいんだろうか
車でびゅーんといっちゃったら あれ・・?あれ? って感じにならないだろうか
そんな私の気持ちはつゆ知らず、車は走る
ひまわりはこっちの言葉で「ヒラソール」っていうみたい
太陽の方角、って意味なんだって!
********
10分程度であっという間にひまわり畑についた
車を降りて、思わず「わぁああ!」と声が出る
目の前にはどこまでも広がる真っ黄色のカーペットみたいなひまわりたち
みんなでまっすぐに太陽の方を向いて、背筋をしゃんと伸ばしている
いったい何百万本?何千万本?何億本?のひまわりがいるんだろう!
太陽の陽を全身で受け止めて、すくすく育ったひまわりたち
その形が、存在自体が、まさに太陽のこどもみたい!
こどもたちは無限に思えるほど広がって、広がって、広がり続けて
遠くにいるひまわりたちは、もはや黄色くって茶色い点にしか見えないほど
雲ひとつない青空
優しい風が吹く
無限のひまわりたちが風に吹かれる
一本一本、確かに揺れる
まるでお喋りしているみたいに
サワサワサワ、と揺れる
風と遊ぶその姿のあまりの可愛さに思わず笑みがこぼれる
ひまわりって、ぱぁっと明るくて元気いっぱいでパーティーピーポー!ってイメージがあったけど
ここのひまわりたちは、とても素直でまっすぐ、純朴な子達だなぁ
確かに、ひまわりたちは、生きている。
私たちと同じように、自分の居場所でただただ生きている。
目を閉じて、彼らの気配がする空気を胸いっぱい吸い込む
優しくて眩しくって爽やかないのちの味がした
時間が止まった
*******
タクシーの運転手さんは、こっそり小さなひまわりを二本摘んでくれて私たちのお土産にしてくれた
まゆさんは、それを大事にリュックにいれた
隙間からぴょこん!と飛び出す二本の可愛いひまわりは
今日の旅の目印・・・フラッグ代わりみたい!
その後、タクシーで街に戻った
あまりに美しい光景が忘れられず、ひまわりを見ながらもう一度ピクニックしたいね!ということで
ヨーロッパに来てからお決まりで買い続けている瓶詰めのオリーブと、生ハムと、ビールを買った
ビールはこっちでは水より安いんだ!
早速ビールを開けて「サル!(乾杯!)」飲みながら歩く
なんて素敵な人生なんだろうね、毎日を遊ぶ しごと だね、と笑うまゆさん
お金は使ってこそ、意味があるんだなぁ
多分、私はお金の使い方がうまいんだ
後先考えずにやってしまっているけれど
その時の自分を喜ばせてあげることに集中しているんだ
ありがとうね、わたし!
ひとりで貯めるよりみんなで使う方が楽しいと気付いたんだ
******
景色に夢中になって歩いていると、気付けば先ほどのひまわり畑と違う道に進んでいた
これもこれでいいね、と笑い合う
道の途中で何かを拾っているおじさんに出会った
なんと、道のガードレールについているカタツムリを拾っていた!
袋一杯に詰められた、からっと乾燥した殻のカタツムリ
街のレストランに売っているんだって!
到底美味しそうには見えなかったけれど・・・
というか雨一滴ないこの場所にいるカタツムリが何故生き延びれているのか全くわからないけれど、優しく微笑んでくれたおじさんの笑顔に嬉しい気持ちになる
******
1時間ほどのどかな風景を歩きに歩いて、馬に会い、虫に会いつつまた広大なひまわり畑についた
私たちに背中を見せて、みーんな同じ方向を向いている
太陽の方を見てるんだね!
私たちもひまわりを見つめて同じ方向を向く
ちょっとだけひまわりの仲間入りだね
近くの納屋の日陰をちょっとだけ拝借して(日陰泥棒!)
さっき買ったオリーブやオレンジたちでピクニック
「こんなにいっぱいの黄色、見たことないね!後ろ姿もかわいいなぁ」
太陽はどんどん真上へとのぼっていく
少しずつお辞儀していくひまわりたち
自然の中で、自然の一部として生きているんだ
******
ピクニックを終えて進もうとした道は、なぜかそこだけ大きな水溜りになっていた
たくさんの蜂たちがブンブンブンブン水辺に集っている
あまりにすごい数で、ちょっとひるむ
「蜂が水をもらいにきてるんだね」
その道を進むのを諦めて、街に戻ることにする
蜂も自分たちの人生を生きまくってるんだなぁ
ちょっとその人生を垣間見れて不思議な気持ちになった
******
ひらけた道路をひたすら歩く
「かわい子ちゃんたち、よかったら乗っていく?」
車を止めてわざわざ聞いてくれる人もいた
方向が違ったから乗らなかったけれど、爽やかな笑顔に嬉しい気持ちになる
「こっちの人は、ナンパっぽくなくて爽やかでいい感じだよね」
「本当だね、みんな優しいね!」
そしてヒッチハイクで帰ろう、ということになりLet’s try!
5分程度でわざわざ逆方向から道を引き返して乗せて行ってくれるお兄さんが見つかった!
優しかったけどナンパっぽく、助手席に乗ったまゆさんの手を握ってしきりに「家にくる?」と誘っていた
「行かないよ!」と笑顔で手を振り払って断るまゆさん
スペイン語もしゃべれて、本当に心強い・・!
10分ほどで街につき、バイバイをして車を降りたところ
スペイン人の男女のペアに速攻で声をかけられる
「いま、ひまわり畑にくるツーリストを取材していて、TVに出てくれない??」
CHAPAWONICA、謎のスペインTVデビュー・・!
車に乗って、ひまわり畑に向かう
本日3回目のひまわり畑だ!
スペインで有名なテレビ番組らしく、女性はニュースキャスターさんのようだった
二人でひまわり畑を散歩している様子を撮影され、写真を撮っているところを撮影され
フィニッシュ!ということで町へ帰ったら、あと1シーン撮りそびれた部分があるとのこと
もうちょっとだけ付き合ってくれない?ということでもう一度ひまわり畑へ!
「今日4回目のひまわり畑だよ、なかなか帰してくれないね!」
「ひまわりに愛されてるね!」
「それは嬉しいことだ、うちらのテーマの花だもんね、なんか」
そんなことをしゃべりながらもう一度撮影をし、無事に終わって町に戻った(まゆさんはスペイン語で台詞を求められ、見事な大根役者っぷりを発揮されておりました)
******
バスに乗ってセビージャの街に帰る
帰り道、バスはたくさんのひまわり畑の近くを通って行った
行きは爆睡しすぎていて見ていなかった・・
どこまでもどこまでもどこまでも広がる黄色
本当に本当に可愛い・・・!!!!
ずっとずっと憧れていたアンダルシアのひまわり畑
紙の中でしか見たことのなかった景色
この目で見れて、この身体で出逢えて、感じられて、本当によかったなぁ
日本に帰った後、ふとした瞬間に思い出すんだろうなぁ
広大な大地で風と遊ぶように揺れるひまわりたちのこと
太陽のこどもたちのまっすぐさと素直さを
私がどこにいても
きっと5月・6月がくれば
この土地では彼らが揺れる
あの優しい風は、きっとずっとあの大地に吹き続ける
人に知られようが知られまいが、そんなのは関係なく彼らはこの場所で生きる
一夏限りの花を咲かせて、全身で生きる
私たちに、世界中に届くひまわり油になる
そして、次の夏にはきっとまた
真っ青な空の下
照りつける太陽のふもと
彼らの子どもが咲き誇るんだ
その景色が、遠く離れた地でたしかに存在しているということを思い出せることが
どれだけ、私の力になるんだろう
私の心に透明な風を吹かせてくれて、隙間をつくってくれるんだろう
そんな自分の生きる力になるよう瞬間のカケラを集めていくことが、もしかしたら人生なのかもしれないね
記憶は私を生かしてくれるんだ
******
もう一つ、感じたことがある
道は、どこまででも続いているということ
私がずっと夢見ていたひまわり畑への道は日本からも通じている
世界中どこからでも繋がっている
ひまわり畑にももちろん感動したんだけれど、それ以上にそこに行くまでの道のりに感動した
ただ単にその牧歌的な景色に感動したわけではない
自分が行きたい場所への道が、たしかに存在しているということ
そこに辿り着くまでの景色たちにも ありがとう という気持ち!
私が恋い焦がれるその風景は
ただ、ただその場所に在る
私が行くと決めるだけ
きっと、その場所は待っていてくれる
いつか交わるその一瞬を
道は続いているのだから
*******
目を閉じて、いまはもう目の前にいないひまわりに想いを馳せる
胸の奥が、ハッピーカラーの黄色の彼らと同じように、どこまでもどこまでも広がっていく
終わることのない黄色い絨毯は、私の胸の中にたしかにある
その先には、その道中には、どんな景色が広がっているんだろう
目を開けると、お土産にもらったひまわりが2本仲良くコップに活けてあった
しーんとして下を向いている
「大丈夫?」と話しかけて花びらを触る
指先からじーんと熱さみたいなものを感じて驚く
あったかいヤカンを触ったときみたいに、じんわりと手から身体に伝わってくる生命の温度
大地にいても、コップの中にいても、彼らは変わらずに生き続けているんだ!
彼らは、彼らでしかないのだから。
明日、太陽と出逢ったら、また上を向くのかなぁ
そっと、グラスを陽の当たるベランダの机の上においた
*********************
CHAPA WON THE PLANET 3 & 4
〜さよなら ロンド〜フォーエバーモロモロッ娘〜
■一緒に旅にJoinしちゃう?支援してくださる方はこちら♡
http://chapawontheplanet3-4.strikingly.com
・普段見れない女の子たちの ON と OFF!モロッコのブルーの街並みと私たちの素直な素顔のフォトエッセイ『フォーエバーモロモロッ娘』電子書籍予約販売中!
・次回の主役はあなた!!一緒に旅しちゃう?
・帰国ほやほやトークライブ!@江ノ島 受付中♡
・あなたと私たちだけのスペシャルディナー 待ってます♡
■旅の模様を毎日お届け?!
Facebook * CHAPAWONICA で検索♡!
Instagram * chapawontheplanet で検索!
四人の冒険をリアルタイムで覗いちゃおう!
一緒に旅してる気分になれるかも??
*********************