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Chiaki Photo BLOG

全世界出張型フォトグラファーのChiakiのブログです!日々感じること・写真について書いていきたいと思います♡

お城で迷子になって運命が動き出した 〜写真を始めた物語②〜

20歳の春
はじめてのバックパッカーひとり旅でインドの砂漠の街を訪れた。

(写真を始めた物語 前編はこちらから↓)
chiakiphoto.hatenablog.com

 


砂漠の街特有の乾いた空気と砂埃
その異国感に私の胸は高鳴った。

街の中心から少し歩いたところには街を一望できるお城があった。
ひとり散策する。

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お城の城壁から街並みを見下ろす。
インドの街はどこも迷路のように入り組んでいる。
そしてその細い道には人・動物、たくさんの生命がひしめいている。


行く、と決めたらどこにでも行ける。

その事実が私にはとても不思議に感じた。
ついこの間まで「怖い・・インドに本当に私は行けるのだろうか」と不安な気持ちと期待が入り混じりながら、日本でガイドブックを開いていた私が、いま、まさにその光景の中にいる。
もし怖気付いてインド行きをやめて日本にいたら、私はいつもと変わらない景色を見ていただろう。
人の決心と行動力は見る風景を変えるのだなぁ。


 

  



ひとり気持ちよくぼーっとしたあと、宿に戻るために歩き始めた。
・・・・が、案の定瞬時に迷子になる。



インド人に絡まれる。絡まれる。絡まれる・・・。
うぅぅう、もう面倒臭いなぁ・・!
この人たちに道なんて聞いた日にはナンパされるかお土産屋さんに強制連行じゃん!
誰か道教えてくれないかなぁ


そのとき、目の前から日本人っぽい雰囲気を醸し出している男の人がひとり歩いてきた。
この人だったら教えてくれるかも・・・。


「あの、すいません。道に迷ってしまって、教えてもらえませんか?」

「あぁ、いいですよ。どこに行きたいんですか?」


やっぱり彼は日本人だった。
そしてやけに地理に詳しい。
相当旅慣れている方なのかしら・・
宿への道のりを聞く中で自然と会話がはずむ。
「これから地元の人しか行かないという見晴らしのいい丘に行くので一緒に行きますか?」 と誘っていただき「やったぁ!」と喜ぶ私。
ローカルな場所がだいすきだから、こういうお誘いは本当に嬉しい。
ひとりだったらたどり着けない場所だもんね。

彼と一緒にリキシャーに乗って移動をする。
風が気持ちいい。


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その丘はとても綺麗な場所だった。
少しずつ会話を重ねていく。


「お仕事は何をされてらっしゃるんですか?」

「カメラマン兼ライターだよ。」

「えええぇえ、かっこいい!もしかして、今回のインドもお仕事ですか?」

「うん、そうなんだよね。」

「へぇー、だからそんなに良さそうなカメラ持ってらっしゃるんですね。何の撮影なんですか?」

「本当はあんまり出逢った人には話さないようにしてるんだけど…。実は、この本を作ってるんだよね。その撮影。」



そう言って彼が取り出した本は
私が日本で見てインド行きを決心するきっかけになった本だった。



「ええ!?私、その本、日本で見たんです…その中に載っている写真がものすごく印象に残って、インド行きを決めたんです。このページの、物乞いの子の写真!」


「…それ、俺が撮った写真だよ」


「うそっ…?!他にも、これと、これと、これと、この写真が凄く好きで…」


「…それ、全部俺が撮った写真だわ」


彼は驚いたように笑いながら言った。



カーーーーン
私の中で鐘が鳴った。
完全に、鳴った。


こんな偶然が果たしてあろうか。
遠く離れた異国の地
お城の中で迷子になってたまたま声をかけた人が、憧れの写真を撮ったカメラマンさんだなんて。
別に声をかけるときにその方にピンときていたわけではない(むしろ全くピンとはきていなくって、何も感じなかった)

こんなに自然と空気が流れるように
不思議な出逢いが起こるなんて。


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(彼に撮ってもらった写真。大学時代は前髪ぱっつんのボブが多めでしたな)


 

  


ゆっくりと色々な話を聞かせてもらう。
もともと写真が好きで、デジカメで写真をたくさん撮っていた私。
一眼レフは憧れだったけれど、相当なる機械音痴のため、私には使いこなせないだろうなぁ・・と購入していなかった。


「写真を撮る時に大事にしていることってありますか?」

「うーん…事前にイメージをすることを大事にしてるよ」

「え??写真なのに、事前にイメージするんですか?」

「うん。普段からたくさん想像してる。こんなシーンに出逢えたらいいな、そうしたらこんな角度からこう撮ろう。そういう風にいつも考えているからこそ、その景色に突然会ったときにいい写真をぱしっと気持ちよく撮れるんだよね。」


「えぇ…旅先で出逢う景色ってどんなものかわからないからこそ、面白いんだと思ってました。そのときにパッと撮っているとばかり思ってました」

「それもありだけど、俺は想像力がめちゃくちゃ大事だと思ってるんだ。それがあるからこそ、その光景に出逢えるのかもしれない、とすら思う。う〜ん…難しいな。うまく伝わらないかもしれないけどね」


話せば話すほど『写真』というものに ぐんと興味を惹かれている自分がいた。
同時に、彼のことを好きになっていく。



てか
この状態で惚れない人・・
いないっしょ!!




彼とはその日の夜ごはんをご一緒して別れた。


「また日本で会いましょう。どうか、お互い無事で。」


ここぞとばかりに喜びとともに、めちゃくちゃ想いを込めてハグをした。
別れた後も、不思議な幸せが自分の中に満ちていた。
こんな感覚、はじめてだった。



 

  



そうしてそれからも連絡をちょくちょく取り
帰国後、東京に住む彼に会いに行きお付き合いがスタートした。


ちなみに、彼が私のことをいいなぁ、と思ってくれたというきっかけが、ふたつ。


ひとつは、ハグがとてもあたたかかったこと。(久しぶりに人と心で触れ合ってすごく気持ちよくて離れたくなくなった、と言ってくれた)

ふたつめは、私が『インド人に思いっきり騙されてみよう!Day』を設けて散々な目にあった事をメールしたときに「この子はヤバい」とアホさと面白さと真っ直ぐさに衝撃を受けたことだったらしい。

(ちなみに『騙されてみようDay!』は、みんながあまりにインド人に騙されまくっている中、最強に警戒をして挑んだ私は全然騙されていなかったため『なんか皆がインド人の悪口を言いまくってるのがいやだ…本当にそんなに酷いのかな?自分で体験してみないとわかんない。やってみよう!身の安全はしっかり確保した上で、誘いを断らずにどうなるかを試してみよう』とひとり開催したものだ。精神的に相当疲れた&謎のダメージを受けて『こりゃあインド嫌になるわな』と納得しました。今振り返ると、そんなことをやってのけてしまう若かりし自分がヤバい。絶対いまはしない!!)


自分のアホさが相手の方の心を動かしたと知って「よくわかんないけど、アホでよかった!!」と嬉しい気持ちになったことを覚えています。笑


 

  

 「東京とか、人が多いし空気悪いし大っっ嫌い!!絶対一生住みたくないけん。旅行がせいぜいたい。福岡がいちばん最高やもん!」

と言い続けていたThe!福岡っ子の私だったけれど
彼と付き合い始め、少しずつ東京を好きになった。
東京には ひとり がたくさん集まっていて そのひとりがまるでドラマみたいにいろんなストーリーを持っている。
たくさんの物語が交差し合う。


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その優しさや面白さに触れるたびに、東京という街への愛しさが増していく。
そうしていつの間にやら「東京で就職したい!」と東京一点に絞って就職活動を行うまでになった。



彼ともいろんなところに行ったなぁ。
一緒にカメラを中古で買いに行ったり(その時もお世話になったのはキタムラ♡想い出の地だ)
写真を撮りながらお散歩したり、教えてもらったりした。


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カメラを買って、初めて撮った友人のこどもの写真を見て彼が


「うわ・・・千明ちゃん、いいね。悔しいけど、めっちゃいいわ。めちゃくちゃ上手くなると思うよ。人物写真がすごくいい。」


と言ってくれたあの瞬間。
私の “カメラマンとしてのひとすじの光” みたいなものが差し込んだように思える。


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独特の感性を持っている彼とは相当いろいろあって精神的に極限状態までいったりもしましたが(おかげさまで新世界への扉は多々開かれた。今思うと、ほんとうに貴重な経験だった!完全に、おかげでいまの わたし がいる。)
彼の写真と、奥から紡がれる文章が、心から好きだった。
彼の経験の全てがその作品に繋がっているとわかってしまったからこそ、どんなことがあっても受け止めるしかないくらいに、好きだったなぁ。


あの時の彼と同じ年齢になったいま「この歳であの大学生のわたしと付き合うのはめちゃくちゃ新鮮で刺激的だったろうなぁ〜」と不思議な気持ちになる。
そして同時に幼くもあって、いろいろ大変だったろうな。とも思う。笑





  

出逢ってくれてありがとう。
写真と出逢わせてくれてありがとう。

心から、そう思う。
そしてとおくから ひっそりと彼の幸せを祈っている。

磁石みたいに、そっと引き合わせてくれた神様にも心から感謝している。
不思議な巡り合わせでひとときをご一緒できた幸運に感謝する。


そして、いつか逢いに行きたいなぁ、と思う。
撮った写真をたずさえて。
彼のおかげで動きはじめ、動き続けている物語たちに触れてもらえたら、すごくすごく嬉しいな、と思う。
写真は、わたしの歩いた道でもある。

彼のいまの作品にも触れられたら超嬉しいなぁ。


 



  

あの時、怖くても飛び込んでよかった。

世界は優しい。
自分に素直になって直感が導く方へ進めば
いつだって想像を超えた世界へと導いてくれる。
それは自分のみならず
誰かの人生や運命みたいなものさえも
軽やかに動かしてしまうようなパワーを持っている。


そのまぎれもない真実を、たくさんの実体験を重ね、知らされていった。



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(先日行った佐渡ヶ島の野浦での田植え♡お米祝福されてる!!)


いま現在もひたすら起こり続ける奇跡みたいな物語たち
もはや奇跡がスタンダードになった。笑

 
改めて
みなさまの存在に心から感謝します♡
ありがとう。
これからまだまだ見たことのないような最高の景色に出逢っていくぞ〜!
よろしくお願いします♡


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